頚 椎 症
頚椎は、首の脊椎で、七つの骨が上から下に続いて、重い頭を支えています。
骨の中に大切な脊髄が通るほか、脊髄から出て頭や手に行く末梢神経、脳に
行く大血管があるので、骨の変化によっていろいろな障害が起こります。
これを頚椎症といいます。
年をとると長年あたまを支えてきた頚椎の骨と骨の間にある椎間板が
もろくなりすべりが悪くなってきます。すると椎間板が後ろに飛びだして
脊髄を傷めたり、骨と骨がすりつぶれて、周りの神経や血管を圧迫します。
手や肩に行く神経が圧迫されると、指先のしびれ、痛み、変色、脱力、
まひ、肩のこり、頭痛などがおきます。
脊髄が圧迫されると、両足の麻痺、脱力、歩行困難などがおきます。
血管が圧迫されると、めまい、失神、ひどい時は脳卒中がおきます。
神経内科では、このような症状があれば、あちこち触ったり、たたい
たり、ふってみたりして調べます。X線に写るようなら、診断ははっきり
します。手術が必要かどうかを見るために、背中に造影剤を注射して
レントゲンをとることもあります(ミエログラフィー)。
治療は、
① 首の安静 首を回さない。後ろを見ない。
② 頚椎牽引 毎日機械で首を引っ張ります。(目的は安静です)
③ 注射 神経を保護するビタミンB12の注射。
④ 薬 ビタミンB12のほか、血流を良くするビタミンE、
動脈硬化防止剤、血流改善剤などを症状にあわせて
組み合わせます。
⑤ 手術 最後の手段です。首の周りは大切なところなので、
なかなか大変な手術になるでしょう。
いずれにせよ早い時期に見つけて、生活改善をすることが、最も大切です。
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