腰には、いろいろの神経が集まっていますので、様々な病気で痛みを感じます。
①動いた時にズキンときたら、椎間板ヘルニア、ぎっくり腰です。その場で、
痛くない姿勢で寝ていましょう。最初の安静が大切です。痛みが少し落ち着い
たら来てください。神経ブロック、注射、湿布、マイクロ波照射などの手当てを
します。
②右あるいは左だけが急に、とても痛くなったら、尿管結石の疑いがあります。
すぐに尿の検査をして血液が検出されたら、ほぼ間違いありません。CTでみる
と、腎臓が腫れていたりします。 痛み止めのために点滴などしながら石の出る
のを待ちます。
③右腰の高いところに痛みがあるのは、胆石かもしれません。超音波、胆嚢
レントゲンであるいはCTで確かめます。場合によっては手術をしますが、ひどく
ないときは胆石溶解剤を長く服用しましょう。
④食事のすぐ後腰痛の起こるのは、膵臓や腸の病気の可能性があります。
血液中のアミラーゼを測定したり、超音波検査、レントゲンなどで調べます。
⑤足の後面にズキンとした痛みやビリビリした感じがあるのは坐骨神経痛と
いわれます。 これは腰の脊髄から出る神経が傷害されて起こり、なかなか
やっかいです。カルバマゼピンという錠剤が特効薬ですが、飲み始めフラフラ
して立てなくなったりするので、最初は寝る前に1錠のみ、慣れたら少しづつ
増やします。
そのほかビタミンB12,血流改善薬などの、注射、薬が有効です。
骨盤牽引も大変良い方法です。ただ坐骨神経痛は、なぜ腰の神経が傷害され
たかを確かめる事が大切です。そこでレントゲンをとると、年の人では腰の骨
が曲がったり、ねじれていたり、折れていたりします。
ガンの転移が見つかることもたまにはあります。
⑥ドーンとした痛みがいつもあるのは筋肉痛(いわゆる腰痛症)で、立ち
続ける人、すわり仕事、車の運転などではあまり力仕事ではないのに痛みが
きて不思議な気がします。が、もともと腰の筋肉は首や肩の筋肉と同じで、
頭を不断に支えている(抗重力筋)ために凝りやすいのです。もちろん他の
病気が無いかどうかきちんと診断しないといけません(除外診断)。
マイクロ波照射が有効で、筋肉の中のほうの血液循環を活発にして凝りの
元である乳酸を追い出します。筋肉をほぐす薬、痛み止めなどをうまく使いな
がらも、適度の運動が必要です。水泳、ストレッチ、エアロビなどもよいでしょう。
【TOPページへ】